1 市の財政運営について
※今回30分という時間制限の中での質問となり、全ての質疑ができませんでしたので、用意した質問原稿をすべて掲載させていただきます。(答弁部分は作業です)
西岡市長は12月の市長選挙に挑戦することを表明されております。これについてとやかく言う物ではございませんが、継続して小金井市政の指揮をとられる場合、「このままで良いのだろうか」という多くの市民の皆さまから不安の声をいただいておりますので、何点か確認をさせていただきます。
⑴ 市長就任以前の市財政の分析について
西岡市長が四年前、市長選に挑戦する際に、市の財政状況に対してどのような分析をされていたか問う。選挙公報には、「行財政改革が進展していないことや、これから必要になる公共施設の建て替え改修費用がある」「財政難」という言葉で批判していたが、間違いないか。
「緊急40億円対策」と掲げ、「小金井市の平成26年度経常収支比率は94.5%。この数値は人件費や市の借金を返すなど固定費率ですから、新規政策に使える予算が少なく、子育て支援、高齢者対策、まちづくりが進まない原因です。」更にということで、公共施設の問題に触れられ、年46億円が必要になるので、40億円規模の財源確保が急務。と言われておりましたが、この認識に間違いないか。
⑵ 市長就任直後の目標と具体的指示について
市長選挙に於いて有権者比13.5%の支持を受け、見事市長になられました。市長就任直後、財政運営について具体的にどのような目標と具体的指示を部局にしたのか。アクションプラン2020の基本目標「①経常収支比率90%を切る②類似団体最小の職員数③全職員による本気の改革」については、具体策としてはどういう指示だったのか。
⑶ 任期四年間の成果と課題は
任期四年が間もなく経とうとしております。残り一か月となり、改めて自己採点をしていただきたい、四年間の財政運営の成果と課題について質問する。
アクションプランについては、個別に達成した項目はあるものの、いずれも達成には開きがあることはこれまでも指摘をして参りました。本年10月に小金井市財政改革市民会議が提出された「今後の小金井市の行財政のあり方について(提言)」にも、「市の行財政改革は不十分なものと言わざるを得ない。中期経営改革を令和2年度末までのあと1年6カ月で完了させることは、残念ながら困難な状況である」と厳しく指摘されています。悪化を続けている経常収支比率についても、「目標達成には程遠い状況である。」と指摘されています。「本気なら必ずできる!類似団体最小の職員数として職員80人減についても「目標達成には程遠い」と指摘されています。人件費については、市長就任後約年額4億円近く増えているのですから、もっともな指摘だと思いますが、この指摘ついて、どのような認識をもたれているのか。
西岡市長就任後、自らが財政運営のメルクマールとして示された経常収支比率に関しては、急激に悪化をしている事は答弁にもある通り、周知の事実であります。またこれまでの質疑の中で、市長が一番に掲げる「子育て環境日本一」を目指す事で、経常収支比率が悪化することは仕方がないという趣旨の答弁がありましたが、先ほど確認したように、自ら前市政を批判し、いずれも西岡市長が、自分なら解決できるんだと、市民とお約束をした公約であり、その開き直りと捉えられる見解は、到底市民の皆様も受け入れられるものではないと考えますが、今も同じ見解でよいか。
前述の市政運営が進まない原因について、西岡市長が、前市政を批判し差別化を図る為に市民の皆さんに約束をされてきた公約です。行財政改革の財源効果は、平成28年度約1.6億円が平成29年度約3.2億円とあります。これだけ見ると行革が進んでいるようですが、市民会議さんの評価は「不十分なものと言わざるを得ない」と、先ほど申し上げている通りです。現状認識が甘いのではないか、現職市長として誤った情報を伝えているのではないかと考える。
⑷ 新任期へ向けた目標と具体的取組について
新任期に向けた目標設定と具体的取り組みについて伺う。経常収支比率や、職員数の削減については、行政のプロである担当部局の答弁からは両立不可能という見解が繰り返し示されているにも関わらず、本年9月に出されたアクションプランにもそのまま掲載されている事からすると、目標は堅持されるという事なのか。市民会議さんがあれだけ厳しさを指摘されているのですから、目標達成には、それなりにアプローチを変えるとか、職員への徹底など、厳しい対応をしていかなければならないと思いますが、具体的取り組みについて伺う。
市民サービスの向上と持続可能な財政運営の実現という相当に難しいことを、西岡市長はあっさり両立できるようにいつも、発言する。どうして、このような発言ができるのかと考えると、結論、西岡市長は「財政運営」と「財源充当」、「計画推進」と「事業打ち上げ」を混同しているではないかと考える。市財政運営は、目まぐるしく変化する社会情勢、経済情勢に如何に対応すべきか。その見立てにより現状において何に優先して限られた財源を投じていくという事になる。市長とは、その取捨選択を一手に握る者であり、いわば経営者としての舵取り手腕が問われるものです。これまでの西岡市長の財政運営において垣間見えるのは、限られた財源の「割り当て」を行っているに過ぎないのではないかということ。ただ単に思い付きで要望に応じていく財政運営となっているのではないか。任期中、その作業に慣れてしまい、限られた財源を如何に上手に使い切るかに長けてしまった結果が経常収支比率を押し上げているように思えます。「経常収支比率90%を切る」という目標について、具体的にどういう取り組みをされるのか、再度伺う。
計画の推進とは、市の諸計画を行政の継続性・持続性を踏まえ、事業を計画的に前進させられるかということだと考えます。突如、既に閉館を余儀なくされ、一刻も早く再建が必要な、福祉会館建設の市民検討委員会を閉じたり、様々な公共施設を複合化してみたり、広げた風呂敷をどうして良いかわからずに、あれもやります。これも買います。というのは、計画的行政ではなく、全体像が無くい、行き当たりばったりの、思いつきの行政運営に過ぎないのではないか。このような「場当たり的行政運営」に対して、市議会からは3つの問責決議を含む18もの決議が任期中に出されている。
この間、何も効果がなかったとは言わないですが。市民の方のご努力によりまちづくりが進み、ありがたい事に地方都市のような著しい人口減少傾向にもなく、今は先人の蒔いた種、積み重ねたものの上で、あぐらをかいている状況で、現状と同様の認識のままでも財政運営が辛うじて成り立っているように思えるが、現状が受け止められているのか。表面的にはまだ大きな打撃はでていないように見えるが、実際には、この四年間で行革を停滞させ、市財政を悪化させ、体力を削がれている。現状認識の上に確たる財政運営の新たな手法、目標設定があるのか。
⑸ 庁舎建設と公共施設総合管理計画に対する財源確保について
財政負担という意味では、庁舎建設(複合施設)と公共施設総合管理計画に対する予算措置を差し置いて論ずることはできない。西岡市長風に言うと夢を語るということになるかもしれませんが、新たな図書館も含めて市民負担無しで建つと言って市民を欺いていた庁舎建設と、最大で35年で1,500億円の更新費用がかかるとされている公共施設総合管理計画に対する予算措置が必要とされている現状を受け、一体どのようにしていかれるのか。(複合施設につては、就任後、職員に公約の検証を行わせ、その後、ゼロベースへ。)本庁舎等の売却、第二庁舎の敷金、基金の積み立てという話をされておりますが、現在、関連敷地の売却についてはどのように検討が進んでいるのか。
「庁舎建設が本丸。庁舎建設が公共施設問題の課題解決につながる。一丁目一番地」とはなんども聞いた答弁ですが、未だに理解ができない考えで、市民の方に説明しても伝わらない。学校施設の個別計画の策定も「ようやく」始まるわけですがその計画も、まだ具体的な必要な方針や金額、財源が示されるわけではないと思います。庁舎建設により公共施設問題が、どう解決していくのか、具体的な説明を求める。
⑹ 職員人件費はどのようにコントロールするのか
そもそも市長は「職員の適正配置と削減による人件費削減を進める」と公約され、アクションプランにも「類団最小の職員数」を掲げられ、今後も堅持されるということが、確認されました。しかし実際には就任以降、人件費は年4億円近く増えている状況の中で、来年度からスタートする会計年度任用職員の期末手当についても、総務省のマニュアルの解釈によると、市財政を考えれば段階的な対応が交渉できたにも関わらず、一気に満額支給を提案しています。財政運営において、職員人件費をどうコントロールされていくのか伺う。
市民会議さんの「目標達成には程遠い」という厳しい指摘を紹介したとおり、全く達成できていない。市民会議さんの提言によると、「職員数削減は一朝一夕にはできないが、本市の財政状況を踏まえれば、少数精鋭で類似団体・近隣氏以上の市民サービスを実現することは不可欠である」と言われています。今のような取り組みで、約束は「いつ」「どうやって」達成できるのか。
⑺最後に
本日の質疑させていただいた、若者からの未来に不安を持つ声を、持続可能な小金井市を子どもやお孫さんに残していきたいという、市民のみなさんの切なる思いを「ネガティブな批判の声」と捉えられているのか。
西岡市長は四年前に、「なぜ、財政が厳しいの?」という質問に対して、こう答えられています。「将来を見据えた行政経営がなされていないからです。老朽化した図書館など公共施設、上下水道などインフラ老朽対策が手つかずで、結局、財政が良くなりません。」今、このご自身の発言を聞いて、前市政への認識、自らの四年間を振り返り、「将来をみすえた行政運営」ができたという認識なのか。
この間、市役所建設をはじめ行先がわからなくなった状況を、議会サイドが何度も団結をして、市政を救ってきたと認識をしている。今後、西岡市長は、自らが行ってきた批判と、「場当たり的な」市政運営を続けるのか、市民の声に耳を傾けるか、判断をする大切な時だと考えますが、如何か。
以前こんな質問もありました、「誰が市長になっても同じでしょうか?」という質問に対して、こう答えられています。「財政問題で明らかなように大きな曲がり角です。ゴミ問題も待機児童問題も予測できた問題でした。問題を批判するだけでなく、将来を見据えたビジョンを示し、市民と一緒に議論してつくれるリーダーが必要です。さらに、実績と実行力。何よりも小金井市を大好きなリーダーが、今こそ求められています」。度重なる、職員の事務処理ミスの発覚。第三回定例会では、市議会からガバナンスの低下、コンプライアンスの欠如が指摘され、19対4で問責決議が可決されている状況の中で、本日の質疑を通しても、予測できた課題に対しても対応がままならず、方針の無い予算付け。数十年もかけて改善された経常収支比率を一気に悪化させている状況。それにも拘わらず、市民受けする達成できない目標を今後も掲げ続け、具体的なアプローチの検討すら無い現状。前市政を批判し「必要なのは経営体質改善。先送り、場当たり的では、懸案事項の解決はできない」との、西岡市長のお言葉をそのまま、お返しして質問を終えます。
📺質疑の様子は動画(YouTube)でご覧いただけます。(0h00m00s から再生)