1 市民通報システムの導入を進めないか
本年1月に、建設環境委員会視察で愛知県半田市に伺い「マイレポはんだ」という、市民の方がスマートフォンなどを利用して、道路の陥没や施設の破損などについて、身近な問題を手軽に市に通報する先進的な取り組みを視察させていただいた。その後の市の検討状況について伺う。
⑴ 小金井市でも導入すべきと考えるが、検討状況は
視察から半年以上が過ぎ、都内においても同様のサービスを開始する自治体も増えてきた。その後の検討状況などについて伺う。
(都市整備部長)道路管理課で可能性の検討を開始した。独自の通報アプリを開発している町田市(みちピカ町田くん)を視察し意見交換を行っている。引き続き検討を進める。
⑵課題解決には様々な方法を検討すべきではないか
武蔵野市ではLINEを活用した、同様のサービス(道路通報システム)を無償で実現している。特に、コロナ禍において、国や東京都でもLINEを使った様々なサービス提供を行っており浸透をしている、このような手法も検討し是非導入をしていただきたい。
(都市整備部長)大きくは費用とセキュリティ面の課題が考えられる。予算がかからないLINEを使った方法は有効と考える。引き続き道路の維持管理が適切に行えるよう前向きに検討を進めたい。
2 コロナ禍における小中学校の今後の暑さ対策について
今年の最高気温は浜松市で41.1度。昨日は三条市で気温40.2度を記録した。子ども達にとっても命の危険を感じるような日もあった。来年以降、更なる暑さが当然予想される中で、コロナ対策と合わせて、今後、児童生徒の健康を守りながら、学びを止めない対策を検討する必要がある。
⑴ 小学校体育館のエアコン設置工事の状況について
既に昨年秋に設置されている第四小学校では初めての夏となったが感想は。また、今年度当初予算で可決した、残り8校の設置スケジュールについて問う。
(学校教育部長)第四小学校では効果を感じられている。他の8校については11月に運用を開始する予定。
⑵ 中学校体育館のエアコン設置計画について
東京都の補助金は令和3年までの事業が対象となるが、小学校と同じく一時難所ともなっている中学校5校への設置の方針は。当初予算で予算化しても、また秋の設置という事ではもったいない。夏に利用できるように工夫をいただきたい。
(学校教育部長)東京都の補助金を活用して、夏に使えるようにしたいと考えている。
⑶授業への影響や「置き勉」など今後の対応方針について。
ウィズコロナ時代において更なる猛暑を想定し、どのような対応が考えられるのか考えておく必要がある。「置き勉」については、子どもの成長の妨げになるという事で、教育委員会でも推進をされているという事ですが、現状、対応は学校毎に異なる。暑さ対策としても有効だと考えるため、さらに徹底できないか。
(学校教育部長)必要に応じて置き勉を認めるよう学校へ指導してきた。
調査によると教員の8割が体温チェックや、消毒など業務増を実感している。コロナ対応としてのスクール・サポート・スタッフについて、国の第二次補正予算で人的支援(免許資格の要らない約2万人分の予算を盛り込んだ。学習指導についても約6万人分)として大幅拡充されたが、小金井市での検討状況は。
(学校教育部長)各学校に希望を取り対応している。教育のサポート以外にも消毒作業等もサポート頂いている。
スプリンクラー、緑のカーテン、ミストシャワー、水分補給時の塩分タブレットの配布、登下校時の帽子着用、日傘の使用、酷暑の際にはリモート学習の対応など、様々なご検討が必要と考える。
(学校教育部長)ミストシャワーを実施している学校のノウハウを他校にも広める検討をする。日傘の使用は認めている。リモート学習については、効果と課題について今後研究する。
3 「多死社会」へ向け対応について
死亡者数が現在の3割増となる、団塊世代が日本人の平均寿命を超える2040年前後へむけ、基礎自治体の「終活支援」などの市民サービスは更なる対応が求められる。
⑴ 終活支援としてのエンディングノートの検討状況について
日経グローカルNo393には、2018年以降「終活サービス」に新たに取組んだ自治体は、東京都内で5区、8市が挙げられている。この間の検討状況を伺う。
(福祉保健部長)検討は進んでいないが、現在、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の普及啓発を推進している。また10月から開設した福祉総合相談窓口で様々な相談に対応したい。
「人生会議」とい愛称で呼ばれている「ACP」についても、是非、認知度を高め、推進して頂く必要があると思うが、やはり個人でできる、準備・取り組みという意味では、エンディングノートの必要性は否定できないと、改めて感じている。
ACPは、
終末期の医療ケアに関する意思確認を事前に行うために、患者およびご家族と、医療・介護従事者の間で何度も話し合いが行われるものだと考えます。要するに、あらかじめ「話し合うプロセス」が重視されています。「終末期において約70%の患者は、自分の医療・ケアに関する意思決定ができない」と言われますので、重要な取り組みであると考えます。
一方、エンディングノートは、
お亡くなりになられた後のための準備という印象が強いかと思いますが、最近では、残された人生をどう生きるかということを整理するためのものとして、取り組み方も変わってきているようです。
これまでの自分の人生を振り返り、自分と向き合い、これからの人生について考えることで、自分の未来をより自分らしく豊かに生きていく「エンディングノート」と「ACP」は役割が違うと考えます。
ある調査によれば、終活で行っている事は何ですか?という問いに、エンディングノートが58.3%、遺書が13.8%、家族に宛てた手紙と答えた人が4.5%という結果となっている。
また、エンディングノートを書くタイミングとしては、人生の区切りが良いとされており、定年や、70歳を迎えたとき、配偶者を無くされた時などがあげられる。
ACPを行うタイミングとしては、患者として終末期に意思表示ができなくなる、できる限り早い段階という事になるが、早すぎても、いざという時との差が大きくなる可能性もある。
恐らくACPとは分けて考えて両立する意図で、他市でも独自に製作しダウンロードサービスなどで提供をしている取り組みが増えている。
府中市:未来ノート(私の生き方整理帳)/調布市:じぶんノート/国分寺市:マイエンディングノート/武蔵野市:マイエンディングノート/三鷹市:「わが家・三鷹で暮らし続けるために」と「三鷹版わたしの覚え書きノート」)
国分寺市では、空き家の発生抑制に「エンディングノート」を活用されています。本市でも作成しないか再度う。
⑵手続き簡素化として、「おくやみ窓口」の検討状況について
「おくやみ窓口」「おくやみハンドブック」についてこの間の検討状況について伺う。
(市民部長)人員体制、建物の面で課題があり窓口は困難。一方、小金井市版おくやみノートの作成を検討している。それを活用して丁寧な対応を考えたい。
次の課へ行く際に、電話を一本入れてあげるとか、同じことを聞かれないように、基本情報の記載は一回で済ませるなど、できることは有る。ただでさえ精神的に衰弱していらっしゃる中で、一生に何度も無い作業です。ちょっとした対応の違いで、たらい回しと言われるか、喜んでいただけるのか違いがあると思う。
「おもてなしの市役所」を目指す静岡市では、昨年、「おくやみ窓口」を設置し、最大19課まわらなければいけない手続きがあり、最大2時間かかっていたものを、名前や住所を必要書類に一括入力できる仕組みや、職員が次の窓口まで付き添う「リレー方式」を採用し、対応時間を50分に短縮した。
ご遺族にとっては安心感が増し、アンケートでは満足した86.2%。まあ満足した13.8%、合わせて100%の満足を頂いている本当に素晴らしい取り組み。専用の窓口とまでも行かずとも、先進市を参考に、各課連携とり工夫した取り組みができないか。
(市民部長)スムーズな対応ができるよう情報共有をしながら対応したい。
新庁舎での工夫について伺う。今後は、市民課のカウンターの前に設置予定の相談スペースなどを利用することもできると考える。これから具体的な運用ルールを考えていくわけですから、是非、おくやみ対応をどういう運用で行うのか、一度事前に検討をいただきたいと考える。
(市民部長)この場で答えられないが、良い流れを作っていく、引き続き関係各課と連携をを図り研究したい。
⑶その他課題の把握と対応について
2040年には、年間死者160万人を超え、その後10年程度はそのまま推移する見込みがあると言われており、火葬場不足や無縁遺骨などについても指摘されています。日経グローカルの中で、シニア生活文化研究所所長のコラムはこのように締めくくられています。
「ひとり死増や遺族の高齢化が進んだ結果、「死後を遺族が担うべき」という伝統的なスキームはほぼ崩れてしまった。死は誰にでも平等に訪れるため、「地域で安心して死ねる」ことはとても重要だ。それぞれの地域がどのようにして実現していくか。新たな時代の福祉政策の柱のひとつとして自治体の知恵が問われている。」
とある。現在、第五次長期総合計画の策定段階でもあるので、着実な取り組みを重ねてお願いしたい。
📺質疑の様子は動画(YouTube)でご覧いただけます。(1h18m40s から再生)