平成30年度第二回定例会一般会計補正予算(第1回)について、市議会公明党を代表して討論を行います。
まず、本補正予算は、当初予算において我々が提出した組替動議が成立した事を受け、市民生活に不要不急なものを削除補正する内容が含まれた予算であるという事。また、防犯カメラの設置、商工振興に要する経費、小学校のオリパラ教育推進に要する経費や、これまで指摘をしてきた、西友裏の自転車駐輪場431台の、整備に要する経費などが含まれる重要な予算である事は言うまでもありません。
しかし、100億円を超えるとされる、100年に一度の大事業である庁舎・福祉会館建設をスタートさせる、基本設計に関する予算項目については、あまりにもずさんな提案だと言わざるを得ないものでした。
本来、議案送付前に行われるはずの全員協議会が、議案送付後に開催され、予算特別委員会、庁舎及び福祉会館建設等調査特別委員会で、長時間にわたり審査が行われました。定例会を通して大多数の議員から指摘をされた種々の事項について市長の答弁は二転三転し、最終局面で大きな方針転換がされました。実質、市長の答弁からは、9月定例会間際まで再検討に時間を要する事が明らかになっており、本来、議案の出し直しを求める声もあったところでありますが、市民生活を前に進めなくてはならないとの思いから、6会派12名の議員で立場を超え、この間、市政運営の大きな課題に立ち向かって参りました。結果、いくつかの点においては、再検討を決断いただきましたが、今後更に、市民の理解を得られる事業となるよう、本事業を責任持って推進する立場から、何点か指摘いたします。
当初、竣工時期のみを重視し、実施設計と建築工事を一体発注するDB(デザインビルド)方式を選択することの説明がされましたが、質疑を通じて、本建設事業に係るその優位性が客観的に示されるには至りませんでした。結果答弁では、スケジュールの遅れが生じるとしながらも、市の意向が具体的に反映され、VE(バリューエンジニアリング)の効果が発揮でき、透明性の高い(地元事業者の活躍の可能性がある)従来方式も含め、市民の利益を第一義として考え再検討と合意形成をすることがようやく示されました。早急に結論を出し、新たなスケジュールと財源計画を示すべきです。※我々は従来方式を推奨しています。
質疑において、市長は複合施設に係るコンセプト(方針)は必要と考えを改め、今後、遅くとも閉会中の特別委員会にしめす事が明らかになりました。しかし、重要なICT整備方針及び防災整備について基本的な市の方針も検討が終わっていない状況です。これらも含めたコンセプトを、全員協議会を開くなど、速やかにしめし、説明と合意形成をおこなう必要であります。
市が策定した財政計画は、起債(新たな借金)への依存度が73%と他自治体に比較して突出して多くなっており、平成37年度までの財政見通しについても、予定されるすべての事業は包含されていない現状であります。
答弁の中では、来年度予算編成に向けた10月を目途に見直すとされていますが、公共施設の統廃合や長寿命化など今後の公共施設マネジメントを進めていくためかつ、市民サービスの低下を招かないよう、適切に、庁舎建設の発注方式の見直しに伴う財政計画を反映し、財政見通しについて、精査することを求めるものです。
図書館が入らない事や、新たな市民負担がある事など、当初の計画との差異については、早急に市民に対する説明責任を果たし、合意形成を図ることを求めてきました。答弁の中では、基本設計レビューの時点で市民の皆さんに公開し、ご意見を反映できるよう考えるとされていますが、基本設計に入る前に、できるだけ多くの市民との合意形成を図ることを求めます。
CM(コンストラクション・マネジメント)の採用については、他市に比べて多額の予算が計上されている事も指摘されています。本事業を包括的に請け負わせるものでありますが、本事業により得られるであろう知識や経験は、庁内で蓄積することにより、今後の公共施設マネジメントの展開、施設の統廃合や学校長寿命化に生かすべきであります。答弁の中で、CMと対等に渡り合える人材の派遣については努力する旨が示され、庁内の体制強化についても積極的に検討することが示されました。派遣される人材については、場合によっては、関係部署をとりまとめる、市長直轄とするなど、市として責任ある事業管理を行っていただくよう強く求めます。
何よりも、市民に後年度負担を強いる、100億円規模の事業を推進するには、あまりにも庁内体制がバラバラに感じると言わせざるを得ません。これまで二回続けて、混迷の予算審査となりました。汗をかき、市民生活を守っているのは誰なのか、認識を新たにしていただきたいと思います。本討論を真摯に受け止めて頂き、市民の皆さんの多額の血税を投入する事業執行を行う、自覚と責任を持ち、庁内一丸となって進めていただきたいと申し上げ、討論といたします。
以上
※その後、付帯決議(賛成するにあたり予算執行についての意見や要望などを表明するもの)を提出し賛成多数で可決しております。
賛成14:小金井市議会公明党、自由民主党・信頼の小金井、小金井をおもしろくする会、こ が ね い 市 民 会 議、改 革 連 合、生活者ネットワー ク 、市民といっしょにカエル会、緑・つながる小金 井
反対9:提案のまま賛成4(みらいのこがねい、小金井の明日をつくる会)、提案自体を反対5(日本共産党小金井市議団、情報 公開こがねい)