毎年、10月16日は「世界食料デー」です。昨日は、国際ワークショップで10月1日に施行された「食品ロス削減推進法」成立の立役者である、竹谷とし子参議院議員が講演されました。本日は、国連大学において、外務省が主催(共催:FAO[国際連合食糧農業機関/Food and Agriculture Organization of the United Nations])される、シンポジウム「食料問題を考える、『食品ロス』を知ろう!」(What can we do to reduce Food Loss and Weste?)に参加させていただきました。
スピーカーは、FAO Ms.Rosa Rolle 上級専門官、横浜市 江口洋人 課長、イオン(株) 金子治子 担当部長、クックパッド(株) 横尾 祐介 部長、(株)office 3.11 井出留美 代表。様々な立場から、食品ロス・食品廃棄物を減らし如何にして、持続可能な国際社会を維持していくか意見が交わされました。
既に言い尽くされた話ですが、言わせてください。以下、消費者庁のHPより抜粋
食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。
日本では、年間2,759万トン(平成28年度推計)の食品廃棄物等が出されています。このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は643万トン(※)。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(平成29年で年間約380万トン)の1.7倍に相当します。
また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると“お茶腕約1杯分(約139g)の食べもの“が毎日捨てられていることになるのです。「もったいない」と思いませんか?
大切な資源の有効活用や環境負荷への配慮から、食品ロスを減らすことが必要です。
※農林水産省及び環境省「平成28年度推計」
飢餓問題と環境問題
世界で飢餓に苦しむ人々は、2015年から再び増え、8億人(9人に1人)。このような状況の中で、上記の様に、食品援助量の1.7倍が食品ロスとなっているという、とても不思議な状況といえます。勿論、発展途上国などは、先進国とは異なる、流通や加工、保存の技術や環境が不足している事で、多くの食品の廃棄がされている現状もあります。「飢餓を2030年までにゼロにする(zero hunger)」というのは、SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)の2番目のゴールにも掲げられています。
飢餓で苦しむ人がいる反面、世界では全ての人が食べられるだけの食料があると言われていますが、生産された食料の1/3にあたる、13億トンの食料が廃棄されています。この中には、例えば日本が輸入している食料で、規格に合わず、現地で保存が効かず、そのまま捨てられていく物も多く含まれます。これは、資源の不足や、地球温暖化の原因である温室効果ガスの増加にもつながります。日本の一般廃棄物の量は、大型トラックで毎日1,700台分。年間の処理に要する経費は日本だけでも金額にして約2兆円です。
何とかしなくてはいけない
とは、わかってはいるものの、なぜ行動として浸透しないのか。こんな事についても、論じられました。一つのアプローチとしては、「教育と情報提供」、これは必ず進めて行かなければいけません。国際社会の一員として、子どもの頃からしっかりと意識をすることが必要です。
また、「環境問題」からのアプローチより、「家庭の節約」からのアプローチの方が分かりやすいのではないか。というお話もありました。いずれのアプローチでも振り返った時に、目標が達成されていれば、それで良いと思います。実際に、一人当たり毎日お茶碗一杯分の食品ロスが、家計に与える影響は、年間2万2千円/一人とも言われています。わが家は5人家族ですから、10万円を超えます。このように突きつけられると、できるところからやってみよう、となります(笑)。これには、behavior change(行動の変化)が必要だと言われていました。例えば、スーパーに行って、食べたい食材から献立を決めるのではなく、家に残っている食材から、献立を決め、足りないものを購入する。既にやられている方もいらっしゃるかも知れませんが、こんなことからでも大きな変化につながるそうです。
それから、私がやっぱり必要だと思うのは、消費者のマインドチェンジだと考えます。10月の台風では、多くのお店がシャッターを閉めました。365日営業のお店の中でも閉めているお店がありました。買い溜めもありましたが、まぁこんなものかとも感じました。お店が24時間空いていて当たり前。欠品が無いのが当たり前。賞味期限が満たされているのが当たり前。これらを求めすぎる限り、売る側は、容易に変われないですね。
途方もない課題の様ですが、身の回りの小さな事から、できる事はいっぱいあるように思いいます。今後、新法に基づき基本方針が策定され、市町村は、基本方針を踏まえ、食品ロス削減推進計画を策定しなかればなりません。わが家として、自治体としてどんな新たなアプローチができるのか、そんな事を考えながら、次の予定に向かいました。
参考情報
- 欠品なんて怖くない地域密着型繁盛スーパー
- 賞味期限切れの水はまだまだ飲める?
- 賞味期限切れ卵は生で何日食べられる?
- 最初と最後の20分は自分の席でお食事を(市2020運動)
- ご家庭で余っている食品をお持ちください(市フードドライブ事業)
- 小金井野菜の簡単レシピ(食育ホームページ)
- 食品ロス削減関係参考資料(消費者庁 平成30年6月21日版)